2021.6.1

02.作りについて

靴には様々な作り方(製法)がありますが、
その中で現在コッペで採用している、3つの製法を紹介します。

【マッケイ製法】
イタリアの伝統的製法。ソールからインソールまで、一緒に縫い付けるため、靴の中に縫い目が見える。
男性の靴・女性の靴問わず、多くの靴に採用されている製法。
□長所・・・ハンドソーンに比べて軽い。ソールの返りが良い(ソールが曲がりやすい)ので、歩き易い。コバ(ソールの張り出し)の出が少ないので、スッキリとした印象になる。
□短所・・・地面との接地時、ハンドソーンに比べて、足裏に衝撃が伝わりやすい。

コッペでは、ソールのコバが丸くなるよう仕上げているのも特徴で、より柔らかい印象に。
women’sサイズでは、マッケイ製法のソールに、丸ヒールを合わせることで、よりかわいらしい印象の革靴になります。

 

【ハンドソーン・ウェルテッド製法(9分仕立て)】
ウエルトと呼ばれる革ベルトを縫い付け(すくい縫い)、その後にソールを貼り、ウエルトとソールを縫い付ける(出し縫い)伝統的な製法。
(コッペは、出し縫いを機械で行う9分仕立てを採用)
今日では、全て機械生産になるグッドイヤー・ウェルテッド製法が一般的だが、ハンドソーンはその原型で、手仕事になる。
□長所・・・耐久性が高い。修理がしやすく、オールソールによる劣化も少ない。機械生産のグッドイヤーに比べても、耐久性が高く、足なじみが良く履きやすい。
□短所・・・マッケイに比べて重い。手間がかかるため、コストが高い。

コッペが活動を始めた当初から中心としている製法で、一番革靴の良さを実感してもらえる製法でもあるように思います。

– すくい縫い

 

【オパンケ製法】
底面のヌメ革を上部まで反り上げて、縫い付ける。ソール前部に貼ったゴムが接地面になる。見た目のおもしろさが大きな特徴。
靴の中まで貫通させる縫い方が一般的だが、コッペでは「すくい縫い」という縫い方で、貫通させない。
□長所・・・ソールの返りが良い。接地面のゴムのクッション性が高い(コッペはクレープゴムを使用)。見た目がおもしろい。
□短所・・・マッケイに比べて重い。手間がかかるため、コストが高い。

オパンケ製法のサボは、現在製作を中止していますが、今後新たな靴で復活できないか模索中。

同じデザイン・材料であっても、製法によって見た目や用途が大きく変わります。
コッペの靴は、デザイン・製法の組み合わせを選べる靴も多いので、見た目の好み・履き心地・履く場面などに合うものを、
試着しながら、相談して決めていきます。

作り手として、さまざまな製法で靴を作ることは、とても楽しく、刺激や発見があるものです。
今後も、作ることを楽しみ、試行錯誤をしながら、
作りたい靴のイメージや素材、用途に合わせ、新たな製法にも挑戦していきます。