2021.4.13

01.素材について

コッペの靴は全て天然皮革を使用しています。
天然皮革は、食用の肉の副産物で、資源を無駄なく使いきるための、人の生活の営みから生まれた知恵。自然の循環の一部だと考えています。
コッペの靴づくりもまた、その循環とともにありたいと思っています。使い捨てではなく、長く愛用してもらえるような靴づくりをしていきます。

革のなめし方は、大きく分けて二つのものがあります。

【タンニンなめし】
植物の渋を使用した、昔からの伝統製法。
☐長所・・・いわゆる”革らしい”表情になる。経年変化も分かりやすい。植物の渋を使用するため、環境への影響が少ない。
☐短所・・・発色の良い色が出にくく、色が安定しにくい。また、水に弱い。大量生産に向かないため、コストが高くなる。

【クロムなめし】
重金属系の化学薬品を使用した製法。
☐長所・・・タンニンなめしに比べ、水に強く、耐久性も高い。発色の良い色が作りやすい。大量生産可能なので、コストが低くなる。
☐短所・・・経年変化が少ない。環境への影響が大きい。

コッペの使用している革は、「タンニンなめしの革」です。
大量生産できない、不安定ながら革らしい表情、持ち主によって違いがでる経年変化にも魅力を感じます。
革の持つ欠点は、大事に育てていくことで、愛着に変わっていきます。「10年後」を想像しながら、徐々に育っていく革の変化もお楽しみください。

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コッペの靴は、主にレザーソールで製作しています。レザーソールの雰囲気、履きこむほどに馴染んでいく感覚がとても好きなのです。用途に応じてラバーソールもお選びいただけます。

【レザーソール】
イタリアンベンズ。イタリア製の牛のお尻の革。
□長所・・・通気性がある。履きこむほどに、足に馴染む。また、製作する際に加工しやすい。
□短所・・・水に弱く、アスファルトで削れやすい。滑りやすい。

【ラバーソール】
イギリス製のコマンドソール。
□長所・・・耐久性が高い。水に強く、滑りにくい。
□短所・・・通気性がない。レザーソールに比べ、返りが悪く、重さがある。

コマンドソールはイギリスのITSHIDE(イッツハイド)社が生産する、合成ラバーソールです。しっかりとしたグリップによる防滑性と、耐久性にもすぐれています。「コマンド(攻撃部隊)」という名前の通り、イギリス軍のブーツにも使用されてきた歴史と、評判の高さがあります。また、多くの冒険家にも愛用され、エベレストなどの登山や南極探査にも選ばれてきました。